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【浪華の火の玉小僧!鳥居堂三郎誕生】#06 |
――あらすじ―― 久々の帰還に入場を断られる正之助だったが、旧知の仲である男姫のおかげで、無事にマリの待つ神殿議会場へ。 議会場へ着くと、大きな机と八つの椅子が並び、既に五人が席についていた。 そして上座には、燃える火のような赤い髪が印象的な、他と異なる雰囲気を放つ人物が座っていた。 「ほれ、あちらにお座りなのがマリ様だ。ささっとご挨拶してくるがよかろう」 正之助が二人の息子にそう言うと、二人はマリに駆け寄った。 「あ、ああ、あの、と、と、鳥居正之助のじ、次男の、あの、二郎ともうすます! いや、あの、もうしまし!? いやややや! いや、申します! お会いできて嬉しいです!」 「ウヒヒヒ…兄ちゃんなんだよそれ…」 緊張でカミカミの兄に笑いをこらえるので精一杯の三郎。そんな緊張する二郎にマリは優しく答えた。 「そんなに緊張することはありませんよ。私も二郎さんにお会い出来て嬉しいです」 「あ、あ、ありがとうございます!」 「オイラ三郎!」 「三郎ね? こちらは元気ですね」 「なぁなぁマリ様〜?」 「なんですか?」 三郎の馴れ馴れしい態度に場内は軽くざわめく…正之助も嫌な予感を感じて、三郎に駆け寄るが遅かった。 「オイラと友達になってくんイタッ!」 三郎が言い終わる前に拳が飛んできた。 「何を失礼なことを! この馬鹿タレが!」 「あらあら可哀想に…ふふふ…もちろん私達は友達ですよ」 マリは殴られた三郎の頭をさすりながら優しく微笑んだ。 「申し訳ありませんマリ様! ほれ! 二郎、三郎連れて宿へ戻れ!」 「は、はい! 失礼しました!」 二郎は三郎の手を強引に引っ張る。三郎は手を引かれつつ、マリに手を振りながら連れられて行った。 そしてマリは三郎に答えて手を振りながら言った。 「いい子ですね。あの子は火の一族にとって重要な存在になる」 「えぇ? あいつがねぇ…」 今までマリにいう事に間違いは無く、基本的に疑う余地はないはずだったが、 現在の術も剣も出来ない三郎からは、そのようなことは全く考えられない。 正之助もさすがに困惑した。 「さて…久々にみなさん揃いましたね。色々積もる話もあるでしょうが…始めましょう…。 これからのことをお話しします」 ――つづく あとがき 妙に話が短いような気がするけどたまにはこんなこともあります。どうしてもキリが良かったもので。 マリのデザインはヨミとそっくりだと思ってください。 火の都にあったヨミそっくりの像は、マリが人型になっている時の姿ではないかと思うからです。 |