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特集 > 【天外魔境IIと私】 |
■私の天外魔境IIとの事を思い出しながら適当に書いておくページです。 ■色々とあいまいなまま、あえて調べる事なく書きます。 ■私が人の何かとの馴れ初めのようなものを読むのが好きでとても楽しいので、 一人くらいは楽しんでもらえる可能性もゼロじゃないのではないか……? と思い、書いてみた。 |
【天外魔境IIをプレイするまで】 |
私と天外魔境IIというのは、イコールSUPER CD-ROM2を手に入れるための戦いでもあった。 近所の友人がPCエンジン(初代の白いやつ。通称白エンジン)を持っていたのもあって興味を持ち、 私は既に中古の白エンジンを所持していた。 さて、そんなPCエンジンには、当時専門のTV番組があった。 テレビ東京で夕方に放送されていた「大竹まことのただいま!PCランド」だ。 ゲームなんて全然興味無さそうな大竹まことさんがメインの夕方の番組。 今ではちょっと文化人っぽく、政治家と討論してみたり、 庶民を代弁するフリをしてニュースに意見したりしていますが、 その昔はスタジオで暴れては女性タレントを泣かせていたそうです。 しかし、子供向けの番組だったのもあってか暴れるようなことも無く、 私の中では人の良いヒゲのおじさんという印象でした。 なんなら共演のお姉さん方のダメな所を諭したりしていたと思う。 番組のほとんどは普通のバラエティ番組といった感じで、 PCエンジンやそのソフトと絡んだような企画は一切無く、 色んなことをしていたように思う。 一応、番組の最後の方で新作ソフト情報などはおまけ程度にあったけど。 元ヤンっぽいお姉さんやら、「網戸が欲しい」が口癖のお姉さんやら、 渡辺浩弐さん……は何か小説とか書いてたよなぁ。今も元気なのかな。 そんな「大竹まことのただいま!PCランド」で、SUPER CD-ROM2の紹介が始まった。 かなりの力の入れようだったと思う。ゲームのTVCMもいっぱいやってた。 特に天外魔境IIの紹介は凄まじく、毎週必ず何かしら教えてくれた。 というか、天外魔境IIの情報コーナーが特設されていたように思う。 色んなイベントシーンを見せられて、これがゲームなのか!?という衝撃がなかなかのものだった。 当時みんなはスーパーファミコンに夢中だったころに、 私は一人SUPER CD-ROM2が欲しいと思うのだった。 既に白エンジンを持っていたというのが大きかった気がする。 だがしかし。白エンジンが既にあるとはいえ、子供にはなかなか手の届かない値段だった。 お年玉でも足りず、貯金からはじめなければならなかった。 子供ながらに家計がそれほど良い状態であるという認識が無かった事と、 それなりに成長して気を遣えるようになった私にとって、 誕生日やクリスマスといえど、ゲームソフト1本ならまだしも、 ゲーム機本体の購入を無邪気にねだることは、もう出来なくなっていた。 特にPCエンジンはハードが高かったしね。GTとか10万くらいするのは正に桁違い……。 そして貯金している間に「天外魔境II」は発売され、先にソフトを買ってしまった。 自分の中ではある意味「本体を買う覚悟を決めるため」みたいな意識もあったと思う。 天外魔境IIのパッケージの裏側を見ると、白エンジンにはSUPER CD-ROM2というのをくっつければ、 SUPER CD-ROM2システムのゲームが出来るらしい。 本体は無い。けどソフトはある。そんな状態の中、説明書を読んでみたり、 パッケージを見てみたり、術の表を見たり、CDのデータ面のキラキラをうっとり眺めたり、 ファミ通の天外魔境IIの連載を見たりして気を紛らわせていた。 ちなみに私がCDという媒体を購入したのはこれが初である。 それからしばらくして確かクリスマスだったように思う。 クリスマスプレゼントを買ってもらいにおもちゃ屋さんへ。 そこでショーケースにあったSUPER CD-ROM2を眺める私。 姉「これ欲しいんでしょ? 買ってもらえば?」 私「でもこれすごい高いんだよ」 姉「お金貯めてるんでしょ? 残り出してもらえば?」 私「えっ? そんなのアリなの?」 姉「ねーねー、○○(私の名前)これ欲しくてお金貯めてるんだよ〜」 父「ふ〜ん、偉いじゃん。じゃあ残り出してやるよ。いくら貯まってるの?」 私「えっ……○万円」 父「いいよ。買ってやるよ」 なんとなく私の中で、クリスマスとかに足りないお金を追加してもらい 欲しい物を買うという考えが無くて、この出来事には驚いた。 プレゼントってのはプレゼントしてくれる人が全額出さなきゃいけないものだという 謎の固定観念があったわけです。 そして私は無事、SUPER CD-ROM2を手に入れる事が出来たのだった。 SUPER CD-ROM2はデカかった。とにかくデカイ。 今見ても「こんなサイズ必要なのかな?」と思うほどデカイ。 本体がデカイから箱もデカイ。 さらにそれに白エンジンを繋げるから長い! う〜ん、これがコアグラフィックスとかなんとかいう 黒いPCエンジンだったらもっと格好良かったのかなぁ…… と思ったものだが、今となってはこれはこれで恰好良いと感じている。 |
【ついに天外魔境IIをプレイする】 |
SUPER CD-ROM2を箱から出し、接続を済ませて電源ON! ……(起動画面) 「ん? あぁ、RUNボタン押さないとなのか」ポチッ ギュウウウウウ! シュィ〜ン…… 「おぉ〜CDが回ってるよぉ〜!」 ギューーー! ギュギュッ → ハドソンのハチ助拡大 「おぉハドソン……」 FAR EAST OF EDEN 「ん……? 音出てない……?(音量上げ上げ)あ〜なんかヒーーーって音がして……」 ドシュウウウウウウ!!!(炎の龍が出てくる) 「うわぁああっ! 音デケェ!(音量下げ下げ)あービビったぁ! うわすっげぇ〜なんだこれ。アニメで聴くようなSEだぁ〜!」 龍が飛ぶ音、ぶつかり弾ける音、燃える炎の音、卍が出てくる音、 とにかくあらゆる音がすごく鮮明で、とても今までのゲームで聴こえる音では無かった。感動した。 シュバァーーーン! 「天外魔境! ツー!」 「しゃべったああああああ!」 「うわぁ〜シティーハンターの香だよぉ〜」 「曲がCMのまんまだあああああ!」 オープニング曲がCMで聴いたまんまで感動。 今じゃ当たり前だが、TVCMで流れる音となんら遜色のない音が ゲームから出るなんて驚愕なのである。 ギュウウウウウ! 「あれ? またなんか読み込み始まったぞ……なんだ?」 そして始まる火の勇者のデモ 「すっげぇー! アニメやないかーい!」 それからしばらくは、ゲームやる前にオープニングからデモから、 全部見てからゲームをやったり、なんならゲームもやらずにオープニングだけ見たりもしていた。 その年の私は、天外魔境IIをプレイして年を越した(年末は夜遅くまでゲームをしていても怒られない!)。 私の天外魔境II初プレイ時の所要時間は、確か78時間くらいだったと記憶している。 今やると20時間そこそこでクリアしちゃうので、当時の私は一体何をしていたのだろうか。 楽しんでいたんだろうなぁ。 |
【曰くそれは「最高のRPG」】 |
天外魔境II……というより、PCエンジンそのものを所持している人が、
私の周りにはあまり居なかったので、それほど積極的に話をすることは無かったのだが、
ひょんなことからPCエンジンを持っていて、天外魔境IIもやっている人がクラスメイトに居たことが判明した。 その人を仮にM君としよう。そのM君もなかなか天外魔境IIが好きなようで、 今後発売されるFFの話などをしていた時だったかと思う。 私「今度のFFは〜……云々」 M「ん〜……でも俺はもうRPGは買わないかも」 私「あれ? でも天外IIやってるって……」 M「うん。だからだよ」 私「???」 M「俺はもう天外魔境IIという最高のRPGを手に入れたからサ」 私「お……おぉ〜!」 M「天外魔境IIはもう最高でしょ。あれを越えるRPGなんて出ないよ」 そうか、天外魔境IIってそんなにすごいものだったのか! と、 改めて天外魔境IIの凄さを感じたのだった。一人の人間にそこまで言わせるか……と。 こんなこと言ってもらえたら、作った人はさぞ嬉しいだろうなぁと思う。 なんてったって「天外魔境IIが好き」なだけの私が聞いただけでも嬉しかったんだから。 私はそれからFFもドラクエもそれなりに楽しませてもらいましたけどね。 |
【いまさらの天外魔境IIレビュー】 |
天外魔境IIの凄さというのは、天外魔境IIをやっている時よりも、
他のゲームをやっている時に感じる。 個人的に天外魔境IIの最大の良さはその「快適さ」にある。 国の移動か、大掛かりなイベントシーンでもない限り読み込みが無い。 ザコとの戦闘も弱いやつなら1秒もかからず終わる。こんなゲームはいまだにそうそう無い。 イベントや音声台詞が飛ばせない事については、 当時これを飛ばしたいなんて思ったことが一度もないので、 そこが悪い部分だと思った事も当然無い。 お話の中では、序盤で伝説上の人物として名前がチラっと出てくる七人の火の勇者が、 後々どんどん出てきた上に、 最終的には自分(卍丸)がその伝説の勇者と比肩する存在(火の精霊曰く最強の聖剣らしいので、 七人の火の勇者すら超えているかも)にまでなる所が、 個人的に非常に熱く燃える展開で大好きだ。 しかもそのカギになるのが父親の形見の剣だなんてもう……もうもうもう! 伏線が! 父の陣羽織も最強の胴装備になったら良かったなぁ! そしてなんといっても最後にみんな救われる所が最高に良い。 酒呑童子と綾姫の霊をお慰めするために建てるという厳島神社はどうするの? とか、 シロとの涙のお別れは茶番だったの? とか、 「安心して未来を託せる」といってた四人の火の勇者も生き返ったけど? とか、 そんな細かいツッコミはどうでもいい。みんな幸せで何が悪い! 終わり良ければ全て良し。 なのだ。ちょっと憂鬱な結果にしたほうが記憶に残るだぁ? そんな気持ち悪い記憶は願い下げじゃあ! ちょっと考えさせられるような終わり方のほうが深い? どんなに考えたって結論なんて出やしないんだから、 ただモヤモヤが残るだけな上に結末ぶん投げで無責任なだけじゃあ! 話はちゃんと完結させるべきなのである。 ……ん? III? 天外魔境は三部作だって? そんなこともありましたかね。 まぁIIはIIでちゃんと完結してるから良し! |