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特集 > 天外魔境II関連本 > 【月刊マル勝PCエンジン】 |
■『月刊マル勝PCエンジン』はかつて株式会社角川書店(現・KADOKAWA)から発行されていたPCエンジン専門の月刊誌。
正確な表記は「〇の中に漢字の勝」で、フリガナは「マルカツ」と書いてある。 ■天外2発売当時唯一の攻略本『天外魔境II卍MARU 公式ガイドブック(コンプコレクションスペシャル)』を作ったのがこのマル勝PCエンジン編集部。 ■1990年12月号から「天外余興II」という企画連載で天外2の開発状況を伝えたりしていた。 元は天外1の終わった連載だったが、天外2開発開始に伴って復活。 ■天外2とは関係なく、ゲームレビュー(同誌内の名称は「お毒見チャート」)に岩崎啓眞氏が評論家としてレギュラーで記事を書いていた。 ■上記三つを考慮して、この雑誌の記事に着目してみるページである。 制作発表から発売後の当時の天外2制作の変遷を紙面を通じて探求していく。 |
【1990年03月号,第2巻 第03号 通巻15号】 |
4月号と同様のアイデア募集記事があるらしい。 |
【1990年04月号,第2巻 第04号 通巻16号】 |
![]() 一、自来也達はその後どうなったか 二、次はどこで自来也達は冒険するのか 三、自来也達を助ける新しい仲間達 四、こんな敵がいたら面白い 五、自来也達が使う武器/道具/魔法 六、イベント という六項目を募集している。RPGのほとんどの要素。 なかなかの他力本願っぷりだ……が、問題はそんなことよりも、 ここではあくまで「天外1のパートIIのアイデアを募集している」のに、 後々「天外2のアイデア募集」ということにすり替わっている点を 私は疑問視している(1990年06月号の結果発表記事をご参照ください)。 これじゃあ自来也達のさらなる冒険を楽しみにしていた人たちが可哀想ではないか。 もちろん「天外2は天外1のパートIIじゃないか」という事も理解は出来るが、 この募集項目を見て「自来也はまったく出てこないゲームのアイデア募集」だと誰が思うだろう? 第一それなら最初から「天外魔境IIのアイデア募集」といえば良かったものを、 なぜ「天外魔境のパートII」という言い方にしたのか。 自来也達を主人公にしたゲームを作ろうとしたからではないのか? ちなみにこのゲームアイデア募集だが、他のゲームでも実施して好評だったらしく、 結構な数のゲームでアイデア募集をしていたが、その後あまり見かけなくなる。 集計と選定の手間のわりに記事になりにくいとか、 良いアイデアが無くても入選無しでは気まずいし……とかいった所だろうか? <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> どうやら次のゲームも、またCDのRPGになりそう。さてタイトルはなんでしょう? <発売スケジュール> 無し この岩崎氏の発言、おそらく天外2のことで間違いないでしょう。 |
【1990年05月号,第2巻 第05号 通巻17号】 |
![]() ![]() 表紙にも大きく文字がある通り天外2の制作が発表された。 「'91年初春発売決定!!」と、結果から考えると1年も前の発売時期が発表されている。 雑誌制作中である三か月前には「1年もあれば作れる」と考えられていたのだろう。 現代では大作RPGとなると何年、下手すると十何年もかかるなんてこともあるが、 この頃はゲームひとつに1年というだけでも「時間をかけすぎた」くらいの認識らしい。 第一報の段階でもう既に主人公の「戦国卍丸」、仲間の「極楽太郎」「カブキ団十郎」「絹」ももう居る。 カブキのデザインがまだ少し簡素だし、絹も背丈以上のゴツい杖を持っていたりするが、 純潔の鎖はつけているのであのイベントももう決定していたんだろう。 ストーリーも大枠はほぼ出来ているらしい。”編集部の予想”という体でホテイ丸などの前作の脇役も出るのでは? と書かれている。 ヨミが「根の国の王・黄泉」と書かれているので、この文だと普通の人間かのような印象ですね。 まだマリが存在していなかった時期なのでしょうか。 システム面ではノーアクセスで戦闘出来るとかオートバトル等、今後もよくアピールされる内容が既に出ている。 この辺りは岩崎氏が早くから確約したんだろう。つまりこの時点で裏ではSUPER CD-ROM2の予定があった事がわかる。 このあたりの経緯は岩崎氏のブログが詳しい。 同時にOVA『天外魔境 自来也おぼろ変』の制作も発表されている。 アニメと天外2と、辻野氏はかなりの地獄だった時期に違いない。 ![]() ![]() 発売後も言っていた「天外2はキャラクターゲームだ」という話。 桝田氏はシステム面で極楽は道具をたくさん持てるなどという形でキャラクターを表現し、 岩崎氏はオート戦闘の戦い方などでキャラクターを表現すると語っている。 3、4月号で募集していたアイデア募集について「『天外II』にアイデアをありがとう」という見出しが。 もうここで天外2のアイデア募集だったことにすり替わっている。 応募総数が多く、じっくり見たいので結果発表は来月に延期となった。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> ヒマが2か月続いたあと、いよいよ『天外2』がスタートだ。さあメチャメチャ忙しくなるぞぉ。 <発売スケジュール> 制作が発表されたがまだ発売日スケジュールに名前はありません。 天外2とは違うのだが、天外1のこのロゴにある梵字のようなもの。 私がザッと調べた限りでは同様の梵字が見当たらない。 どうやら梵字っぽく創作したもののようだ。 それぞれ「ガマ」「ヘビ」「ナメクジ」に対応しているものと思われるがはっきりしない。 ゲーム内のイベントシーンやカラー版のロゴでは左から順に赤、青、緑の色のようだ。 メインキャラ三人のイメージカラーと合わせるなら赤が綱手、青が大蛇丸、緑が自来也になりそう。 ならなんで自来也が真ん中じゃないのかなぁとか思ってしまう。 このあたりを調べている人も言及しているらしきインタビューも見当たらない。 あまり気にしている人はいないんだろうか。 |
【1990年06月号,第2巻 第06号 通巻18号】 |
![]() 初公開の全体マップが製品版と違う。 火多、紀伊、京、越(KOSHI)、浪華、出雲、吉備という国があるが、 尾張、伊勢、近江、越前、越中、越後、因幡、石見、丹波、安芸、長門が無い。 ![]() 見ればわかる事だが、絵が辻野氏のものではない。一体誰が描いたものなのか? 製品版の「アレンジ着物」ではなく、かなりしっかりした作りの鎧を着ている(特にまつり)ものの、 全体的なフォルムは製品版と大差無く名前も決まっており、当初からデザインはかなり固まっていた……というか、 この絵を元に辻野氏の絵柄で、かつアニメーションさせやすく少し簡素なデザインにアレンジしたものが製品版なのだろう。 「忍術大募集」とあるが、募集要項から察するに卍丸たちが使用する巻物のアイデア募集のようである。 この頃の巻物は忍者からもらうものだったのかもしれない。 ![]() さて、少なくとも4月号の時点では「天外1の続編のアイデア募集」だったのに、 画像の通り5月号と同様「天外魔境IIアイデア募集」にすり替わっている。 一言くらい「天外2で使わせてもらいます」みたいな言葉があっても良かったのではなかろうか。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> さあ、いよいよ『天外2』のプログラムに入るのだ。さあ、これから忙しくなるぞぉ。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM まだ当時は対外的にSUPER CD-ROM2の存在は明らかにされていなかった。 開発側は当初から新システムで作るつもりであったとしても予定としてはCD-ROM2と発表していたわけだ。 |
【1990年07月号,第3巻 第07号 通巻19号】 |
![]() ---ここから引用--- ジパングの西半分・大和の地の名目上の支配者・タイクーンは、ある日不思議な夢を見た。 7つの枝に7つの花をつけた、巨大な植物の上に立った自分が、ジパング全土を見おろしている、というものである。 目覚めたタイクーンは、自らの知恵袋である3人の博士を呼びつけ、その夢の意味するところを尋ねた。 陰陽博士の夢占いによれば、この夢は吉兆であり、やがて、タイクーンがジパング全土の王になる証である、という。 また、文書博士は、その夢に現れた花は、「邪修羅」あるいは「暗黒蘭」と呼ばれる植物で、 伝説の地底国「根の国」に生えるものであると告げ、 さらに、この花にまつわる「根の国の王・ヨミ」と「火の一族」との戦いの伝説を語った。 ―――遥か数百年の昔、ジパングの地中より暗黒蘭の茎をたどって、 地上に出現したヨミ王は、その強大な力でジパング各地を次々と平らげていった。 だが、これを憎み嫌った”火の一族”なる者たちが、ヨミ王に戦を挑んだ。 激烈を極める戦いの末、ヨミ王の軍勢が火の一族を滅亡寸前まで追い込んだそのとき! 火の一族が、密かに完成させていた「7つの剣」の力で、ヨミ王と暗黒蘭は永遠の闇の中に封印されてしまったという………。 その封印を解くことができれば、巨大な力が手に入る。 飾りものとしての自らの地位に不満を抱いていたタイクーンは、この話に魅せられた。 3人めの博士・地理博士に各地の伝説を調べ、暗黒蘭の封印の地を探し出すように命じたのである。 そして、調査の結果、火多・紀伊・越・出雲・浪華・吉備の6ヶ所までが判明した………。 ---引用ここまで--- ・マリが居ない マリは「根の一族にだけ神様がいるのはずるい」という意見から後になって作られた存在なので、 この頃はまだそれ以前だったのだろう。 マリがいないので創造主の存在も無いから宇宙から来た話(プレストーリーのプレストーリーみたいなやつ)が無いわけだ。 ・三博士の名前と役割が少し違う 陰陽(おんみょう)、文書(もんじょ)、地理(ちり)というのがこの頃の三博士の担当だったらしい。 製品版はメカニック、バイオニック、マジックなので、 根の一族だけ文明が現代に近い(超えている?)という雰囲気にしたんでしょうかね。 他にも暗黒ランに「邪修羅(ジャスラ)」という別名があったり、 「越前・越中・越後」ではなく「越(こし)」という一つの国だったりと細かな違いがみられる。 ![]() 製品版とは少し違う手描きの地図だが、各国にある根の城は全て公開されている。 箱庭城までこの時点であったのはちょっと驚いた。 先月号の忍術募集に続いて敵キャラのアイデアを募集している。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 『天外2』のシナリオが進んできて、そのあまりのイベントの多さにあきれているのだ。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM |
【1990年08月号,第3巻 第08号 通巻20号】 |
![]() ![]() ![]() 天外2で登場する乗り物の紹介。「三連筏の急流下り」は実装されませんでしたね。 記事に言及はないが、この急流下りは紀伊で実装される予定だった。 製品版で紀伊の道中は卍丸とカブキの二人きりだが、 NPCとして同行する予定だった三太夫のうちの一人の分が三つ目の筏だったのだろう。 絵には卍丸とカブキしかいないが、三太夫が創造される前からあったイベントだったのだろうか。 敵専用乗り物「奇岩アマノジャク」なるものは製品版には見当たりませんが……鬼面岩の元ネタなのだろうか? 忍術公募の結果発表。優秀賞は術名「卍卍」(効果は不採用)。 準優勝は「術の効力の持続ターンをのばす術」、「自分のいるダンジョン内の宝箱の数がわかる術」となった。 「追風」と「宝香」になったアイデアだろう。 優秀賞の「卍卍」はこの時点で効果が不採用だし、最終的にはゲームにも不採用でちょっと可哀想。 「卍卍斬」の名前の元ネタと考えていいのだろうか。 ![]() ちょっと珍しいコマンドの話。ここで発表されている内容と、製品版の状態を比べてみたい。
メニューは以下
発表内のSELECTボタンでお助けボタンは「地図」「大辞典」「もーど」を選択出来、 「地図」は今居る国の地図が見られる製品版と同じもの、 「大辞典」はアイテムの解説をグラフィック付きで見られるという。公募アイデアの絵なんかを表示する予定だったのだろう。 「もーど」がひらがななのは天外1がひらがなだった事の名残りのようだ。 他にもお店では ・アイテムのまとめ買いが出来る ・武器を買う前に試し斬りが出来る ・アイテムを買う前に解説してくれる ・買った場合の残金を表示 などという仕様が書かれているが、どれも実装されなかった様子。 天外2は道具の最大所持数が少ないので、アイテムのまとめ買い機能の必要性が薄いためやめたのだろう。 試し斬りはどのように実装するつもりだったのか少し気になる。 アイテムの解説に関しては好意的に見ればちょっとだけ実装されているともとれるが、 効果の複雑なアイテムに関してはまったくわからないので厳しい所。 極楽が日常品を装備品に転用するというアイデアを活かすために、詳しい解説を無くしたのかもしれない。 買った場合の残金は……それくらい自分で暗算しろってことか? まぁ実際キリのいい値段のことが多いのでそれほど必要性はないと思う。 後にシロになる存在の情報が解禁。同時に名前を公募した。 たてがみのような部分が茶色かったり耳が黒かったり装飾品がなかったり、 まだこの頃は本当に「ただのデカイ犬」といった感じで神々しさに欠ける。 ![]() 今度は戦闘コマンドを発表内容と比べてみる。 製品版はすべて二文字で統一感があって収まりがイイ。
装備した武器で攻撃する。製品版と同じだが、この時点で「絹にはこのコマンドが無い」と明言されている。 ■術 「使う前に効果と残りMPがわかる」と書いてあるが、製品版に実装されることは無かった。 消費技値は知りたかったなぁ。 ■そなえ 表記以外は製品版と変わらず。 ■逃げる 製品版における「突破」のことだが、全員で逃げるか、各人が逃げるかを選べるという。 体が少ないキャラだけ逃がして戦闘から離脱させるといった事を想定していたのだろうか。 ■道具 「使う」の他に「投げる」「食べる」という使い方があったらしい。 個人的に「使う」と「食べる」の使い分けは「MOTHER」(FC)のパンくらいしかパッと出てこないが、 このシステムがそれほど面白さに直結する事はあまりない印象。 「これは使うか? 食べるか?」とイチイチ悩んだり覚えたりしないといけないのも面倒なものだし、 物理的にボタンを押す回数が増えるのも地味にプレイヤーの負担になる。 ■あんばい 製品版の「状態」と同じもの。 子供向けにはちょっとわかりにくいので変更されたのだろうか。 この頃は敵の術にかかっているかなどの状態も見られる予定だったらしい。 なぜやめたんだろうか。 ■とくい技 製品版の「奥義」と同様。 ■? 製品版の「??」と同様。 発表内容には「作戦」が無い。戦闘前に事前に設定しておくしかなかったようだ。 他に「戦闘にはいる前に、パーティの順番を入れ換えることができる」 「敵のHPが常に画面上に表示される」 「全滅しても、お金が半分にならない」 「オート・マニュアルの切り替えが出来る」 という事も発表されている。 順番の入れ替えは結局実装されなかったが、 開発画面にはよく順番が入れ替わっている卍丸一行が映っているので、 ギリギリまで出来る予定だったっぽいことがわかる。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 『天外II』の打ち合わせで、目が回るほど忙しい! もっと時間が欲しい! と切実に思う、今日このごろなのだ。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM |
【1990年09月号,第3巻 第09号 通巻21号】 |
![]() 7月号で紹介されたプレストーリーにおける三博士とは若干の変更。 「陰陽、文書、地理」という役割だったのが「魔法、生命・生物、からくり」という製品版に近づいた。 名前はまだ未決定らしい。 ![]() 7月号で行った敵キャラ公募の入賞作発表。 一等賞「砂金スライム」はゲーム内で「金のよだれ」として実装された。 入賞「惨憎法師」はデザインもネーミングもそのままお見事! もう一つの入賞「蛙丸(かえるまる)」はゲーム内で「かわず丸」として実装された。 特別賞「ナマコンダ」は……ナマコの体にオバタリアンの顔というメチャクチャさを評価とあるが、 もしかして「軟体仮面」の元なのだろうか? 今回の公募は「『天外II』100のQ」。天外2への疑問や質問を100個募集している。 原作:広井、監督:桝田、演出:岩崎、絵師:辻野の誰に尋ねたいのかを明記してくれという事だが、 この募集結果が発表された様子が無い……100個集まらなかったのだろうか。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> ついに、ついに『天外2』のシナリオの第1稿が上がり、プログラムを、いよいよ始めようとしているのだ。さあ忙しいぞぉ。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM |
【1990年10月号,第2巻 第10号 通巻22号】 |
![]() ![]() はまぐり姫は最初からほぼ完成している。「越(えつ)の国のボスにして幻夢城の主だ」とあるが、 先に出ているジパングマップでは「越(KOSHI)」と書いてあったので誤植か、設定が変わったか。 ワダツミ五人衆はまだ「海の幸5人衆」であり、メンバーも 毒針法師→ウニ、磯花法師→イソギンチャク、巻貝法師→サザエ、生子法師→ナマコ、海牛法師→アメフラシ と呼ばれていたようだが絵は完成している。 イソギンチャクとアメフラシに関しては一般的に食用とは言い難い。 一応食べている地域もあるらしいが、特にアメフラシは毒性があったりという話もあり、 無理して食べるようなこともないだろう。やっぱり「ワダツミ」が適当なんだなと思うのである。 ![]() 卍卍:炎系最大の術。体力が少し減る 宝香:宝箱の数がわかる 追風:術の持続率アップ とある。卍卍(まんじまんじ)は一応最優秀賞だが術効果は不採用だったので「炎系最大の術」になったようだ。 ただし製品版には無かった。炎系の術ですといわれてもわかりにくいのは確かだ。 8月号で術効果だけだったものに名前がついた。 宝香と追風はわりとストレートなよくある術な印象だったので公募アイデアだったとは思わなかった。 新しい術として 式神:式神を1~3匹呼び出す。敵化あり 黄黒:虎に変身。メインマップ上でもキャラクターが虎になる 神風:敵全員に最大級のダメージ+仲間全員のHP全回復 式神は製品版と変わらず、黄黒(おうこく)は虎王の元だろう。 フィールドでも使える予定だったらしいことがわかるが、 フィールドで使ってどんな役に立ったんだろうか? 戦闘前に使っておけば1ターンお得だとか? しかし徒歩で状態異常が回復してしまう火の一族……あっという間に術が解けてどうにもならないのは 敵を引き寄せるビ薬の香炉や大寄せで明らかである。なんとも微妙だ。 神風は本当にこんな効果だったら技を100は使う事になったんじゃなかろうかという強力な術だが、 強すぎると判断されて弱体化されたのが製品版の20%吸収なのだと思われる。 それにしたって弱くしすぎではないですかね……。 8月号で公募した犬の名前が「シロ」に決定。 「前作をプレイした人は、知ってると思うけど、『天外』の世界では、白い獣=神獣なんだ。 その白を素直に使った名前、ということで「シロ」に決定だ!」との選考理由。 開発側としては元から「シロ」にするつもりだったから、 公募作の中に「シロ」があって助かったぜといったところだろうというのは邪推しすぎか。 今回はアイテム公募。採用されると「ゲーム内の大辞典に君の描いたイラストと君の名前がバッチリ載っちゃうぞ」 と書いてある。「大辞典」はSELECTボタンで呼び出すメニューから閲覧出来るシステムが実装予定だったものだ。 イラストを含めるには容量が足りないとしてボツになった可能性を感じる。 というか先月号の「100のQ」同様、このアイテム公募の結果が発表されることは無かった。 なかなかいい加減なもんである。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> なんだか毎日、人と会って話をしているばかりで、さっぱりプログラムが進まないよぉ。仕事をしたいよぉ、と思っている。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM |
【1990年11月号,第2巻 第11号 通巻23号】 |
![]() 44,800円というバカ高価なPCエンジンの携帯機「PCエンジンGT」を掲げてご満悦なのが、 当時の広井王子氏の秘書・山田真木氏。この後、「天外余興II」という連載ページでも酷使されることになる。 当時のライバル機「ゲームボーイ」の定価が12,500円なのでバカ高価というのが理解してもらえるだろうか。 「HuCARDがそのまま使えるカラー液晶」というのは小型カード型ROMの利点が活かせて面白かったが、 当時の技術力だとSTGの敵の弾や文字が見ずらいとか、 バックライトのために大量の電池をやたらと食うとか、 CD-ROM2に対応していないとか、 価格をカバー出来るような利点が無かった。 仮にそれらを克服していたら10万を超える値段になるだろうし。いずれにせよ詰んでるハード。 ![]() 建物や木が整然と並んでおり、大まかな配置以外製品版とかなり違う。 「ドラクエ型のRPG」を作る事を求められていた天外シリーズだが、 天外2のグラフィックディレクターである天城氏の「タイル張りのマップ」を嫌う趣向により、 木々が半ズラしで並べられたり、曲がりくねった道になっているという経緯があるため、 これは仮マップだったと思われる。 それでも何か画面写真の一つも出さないとさすがにマズイという時期だったのだろうか。 卍丸の家から既に綱が神社に繋がっているため、ゲーム開始時の脱出イベントはもうこの頃からあったらしいことがわかる。 ![]() 何の言及もないが、絹とシロのデザインが完全に製品版のものになって、ラフでもなくちゃんとした絵がある。 次回より連載ページ「天外余興II」が始まる事が予告される。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> ***天外2に関係ないコメントなので割愛*** <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM |
【1990年12月号,第2巻 第12号 通巻24号】 |
![]() 開発ではグラフィックの仕様を細かく決めている最中で、 読者が喜ぶようなド派手な情報は無い状態ということだ。 ![]() 個人的な予想では花火→まつり→みこしの順で加入していたのではないかと思う。 伊勢・紀伊は植物の敵が多いので花火の火が活きる。 京から越前・越中・越後は火系の敵が多いのでまつりの水が活きる。 近江西部でみこしが入ったら名無しの十八番がいくらか楽なんじゃないかなと。 絹加入までの間だとちょっとみこしの活躍期間が短いか? でもこの感じなら腰元に化けた三太夫が花火しかしゃべらなかったのも、 元はPTを抜けた花火だけが腰元だった予定というわけで納得が行くだろう。 じゃあみこしは何してたの? ともなるが……近江の方を調査していたということでどうだろう。 ![]() ■乗り物:RPG史上最高の30を超える乗り物が登場するという。以前は20だったので随分増えた。 自由に動かせないもの、敵のものも含めると……女みこし、 ヘタな絵の舟、 岩舟、 野猿、 神タタの船、 イヒカの巨人、 大タタの船、 (鬼面岩)、 たらい舟、 トロッコ、 蜘蛛馬車、 土偶ロボ、 三途の川の渡し船、 渡し箱、 地下蒸気、 南蛮船、 速鳥、 鋼鉄城、 (気球)、 (潜水艦)、 弁慶、 といった所か。速鳥を4つと勘定しても24個。 乗り物紹介記事の中に鬼骨城の手の骨エレベーターが入っていたので、 それに類似するものを含めると……嘆きの谷のエレベーター、魔海城の水流エレベーターを足して27個。 鋼鉄城のエレベーターはイヒカのエレベーターと同じものだが……28個、 犬神寺の土偶ロボ用エレベーターで29個か。……う~ん、ちょっと無理があるな。 急流下りのように何かボツになってしまったものがあるのだろう。 天外余興IIで「王子様のお部屋」「寅のイラスト魔境」「女王マキの贈り物」というコーナーのおたよりを募集している。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 『天外魔境II』のプログラム作業は、容量がとっても大きいので作るのもとっても大変です。 Huカードにしたら100メガぐらいあるんじゃないかな? <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM 岩崎氏もまだまだ天外2のスケールを過小評価している模様(最終的には280メガバイト+CD音源と言っている)。 これが後の発売延期をもたらすのか……? |
【1991年01月号,第3巻 第01号 通巻25号】 |
![]() 連載コーナー化でたくさん情報が得られる! かと思いきや、 このコーナーが始まってから新規の設定画等が一切出ないという謎の状態に陥る。 そのくせ誌面を埋めるために四苦八苦して長続きしないコーナーを乱立させたりしている。 不思議なもんである。 ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> ***天外2に関係ないコメントなので割愛*** <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM |
【1991年02月号,第2巻 第02号 通巻26号】 |
![]() 絵師の辻野氏の制作現場の取材。 今後天外余興IIで使われるタイトルイラストを描いてもらった。 この時はオープニングとメインキャラの紹介シーンが終わった所だそうだ。 制作はまだまだ始まったばかりだ。 ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> そ~いえば、ずっと秘密だった『天外2』の音楽担当がとうとう決定した。聞いてビックリの人なので、発表されたら驚くぞ。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM この頃に作曲家が決まったらしい。結構難航したらしいことが岩崎氏のブログでわかる。 |
【1991年03月号,第3巻 第03号 通巻27号】 |
![]() 肝心のインタビューは「天外IIの開発の過程でゲームが一つ出来上がった」というなんともよくわからん話。 天外2で実現したい演出で使う仕組みが実際に動かせるかどうかをテストするためのプログラムを仕込んだ上で、 それを一応プレイ出来るゲームに仕上げた、ということらしい。 さて、岩崎氏は「マップ上でただキャラクターが歩き回るんじゃなくて、 もっと緊張感のあるアクションやリアルタイム要素の強い演出を考えている」 と言っているのだが……一体何の事だったんだろうか? そんな要素あったかなぁ……。 この言い方だとフィールドを歩いていると何かが降ってきて、 それを避けないといけないみたいな事を想定していそうなのだがそんなシーンは無かったし。 雪や花びらが舞うというような話があったので季節と同時にボツになってしまったのだろうか。 ![]() 一、戦闘時ノーアクセス 天外1における不満点の戦闘時の読み込みを無くすという。 ボス以外は読み込みをしないと言っている。しっかり果たされている。 二、アニメーションは『イースI・II』を超える! 質、量ともに上回るという。 申し訳ありませんが私は『イースI・II』をプレイしたことがないのでわかりません。 しかしまぁSUPER CD-ROM2がCD-ROM2に負けるような事は有りえないでしょう。 SFCで出来る事なんか全部やっちゃいますよとセールストークもかかさない。 実際見た目それっぽいことは実現している。 三、とっても使いやすいシステム 極楽加入時に若草を使うために何度もウィンドウを開くハメになる……以外で個人的に不満は無かった。 現代で見ればもっと色々やりようはあるにしても当時としては非常に使いやすかったと思います。 四、どっかのゲームよりずっと賢いAI ドラクエ4(5か?)を非常に意識した発言。 100倍賢いAIで、敵に合わせて、そのキャラらしい対応をするという。 このインタビューに限らず、当時はこのオート戦闘の凄さを語る場面は結構ある。 全然使ったことが無くて申し訳なくなるほどだ。 五、マップ上での多彩な処理 雪が降ったり、花が咲いたり、大岩が転がってきたり、戦争をやっていたり……と言っている。 四季がなくなったので雪と花は無し……大岩はワダツミ五人衆のことだろうか? 戦争は姫路町の事? <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> ううううう……『天外II』のビジュアルはあまりに多い。まるでアニメかといいたくなるほどだ。誰だよ、こんなの考えたの。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM 激務に泣く岩崎氏だが、『イースI・II』を超えると言ったのはあなたです。 ……と突っ込んで欲しそうだなぁと思ったので突っ込んでみた。 |
【1991年04月号,第3巻 第04号 通巻28号】 |
![]() 各主要制作陣の進捗コメントでは広井氏「製作快調!しばしのお待ちを」、 桝田氏「メッセージなどの細かい作業が進行中」、 岩崎氏「アッと驚く前代未聞のRPGを期待しなさい」ということだ。まだまだかかりそう。 「HUDSON'91総まとめ」内の右側の人物は当時ハドソン企画宣伝部だった高橋名人(高橋利幸)だ。 ![]() ![]() ほら、ページの1/3が広井氏の著書の広告ですよ。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 『天外II』の開発は現在順調に進行中なのだ、もうしばらくしたらどかーんと写真なんかが発表されるかもしれないぞぉ。期待しててね。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM 1990年11月号に掲載された「秋の白川村」以降、 いまだにゲーム画面の発表がないことをそれなりに気にしているらしいことがわかる。 しかし実際にゲーム画面が公開されるのは4ヵ月後……でもそれもオープニングデモの一部のみ。 プレイ画面になると7ヵ月も必要になる。随分と出し渋ったものだなぁと思う。 |
【1991年05月号,第2巻 第05号 通巻29号】 |
![]() さらに究極のゲームライフを探るという事で第1回は「スナック菓子」をテーマに何のどこが好きかを募集していたり、 次のページになるが女王マキ(マル勝PCエンジン内ではよくこう呼ばれていた)の好きなゲームを紹介するコーナーが始まったり、 なかなかの迷走ぶりというか、たった2ページを埋めるのに四苦八苦している様子が伺える。 なかなか天外2の開発画面を公開することは難しい事なんでしょうか。 後々の「そこまで見せちゃうの?」と思うような攻略記事を見ると、 もっと国ごとの大将の設定画なんか出せば十分紙面を埋められそうなんだけど…… そんな早く出すと「やっぱりこれはなし」としにくいから、 本当に確定した情報しか出したくない……みたいな感じなんでしょうか。 ちなみに究極のゲームライフは3ヵ月もしっかり募集したクセに発表無し。 ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> ***天外2に関係ないコメントなので割愛*** <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM |
【1991年06月号,第3巻 第06号 通巻30号】 |
![]() ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> ***天外2に関係ないコメントなので割愛*** <発売スケジュール> 発売日価格未定、CD-ROM ずっと書いてある天外2の発売スケジュール。なかなか更新されません。 しかし、業界的にはMEGA-CDやスーパーファミコン用CD-ROMドライブの話も出てきている時期で、 PCエンジンもなんらかのパワーアップ策があるのではという噂があったようで、 NECにアレコレ聞いている記事があった。 |
【1991年07月号,第3巻 第07号 通巻31号】 |
![]() ![]() というわけでついに発表された新ROM2システム。 まだSUPER CD-ROM2という名称こそないものの、 新しいシステムカードとSUPER CD-ROM2本体、 そしてDuoになるもののイラストが公開された。 妙に手書き感の強いイラストだが、実際に発売されるものと全く同一の形状をしている。 写真はだめだけどイラストならいいよとでも言われたんだろうか。 「PCエンジン新構想」と書いてあるが、実の所PCエンジンの「コア構想」というのは 「CD-ROMドライブ一体型だと価格が高すぎて売れないからバラ売りしよう」という目論見だった。 「Duo」発表時「コア構想はどうなるんだ」「シャトルの二の舞では」という批判もあったようだが、 この「Duo」こそが、PCエンジン本来のあるべき形なのだそうだ。 ※「シャトルの二の舞」とは、背面の拡張バスを省いたHuCARD専用廉価機種 「PCエンジンシャトル」の悲劇である。 このシャトル発売後あっという間にHuCARDは廃れてCD-ROMソフトばかりになってしまうのだが、 拡張バスが無いためにどうにもならなくなってしまった不遇ハードである。 「Duo」の拡張性の低さ故に、同様の事が発生するのではないかと危惧したわけですね。 ![]() ![]() そしてその新規格第1弾ソフトが天外2なのだという事も同時に発表された(結果的にはそうならなかったが)。 1990年の秋口には新規格の話が、正式決定が12月半ばとのこと。 広井・岩崎両氏もそのパワーアップの有意義さを熱弁しておられる。 ただし、パワーアップにはユーザーの出費が必要になる(ただでさえPCエンジンはなんでも高い)。 そこを「ごめんなさい」と謝っている広井氏はなかなか誠実やね。 別に広井氏が悪いわけでもないのに。 この誠実さがアイデア公募でも発揮されれば尚良かったのだが。 ![]() ![]() 王子様のお部屋に辛辣なおたよりが届く。 岩崎氏への質問なのだが、要約すると…… 「イースI・II以来面白いゲームが無い。天外2は私を満足させられるゲームなのか?」と。 特定のゲームを名指しで面白くないとまでいっておりなかなか挑戦的である。 岩崎氏の回答「『イースI・II』超えますとも!」と明快なお返事。まぁ、そうだよね。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 『天外II』の開発もいよいよ佳境に入って、超忙しいのだ。 来月ぐらいには写真を出せるかもしれないと思っているんだけどね。 みんなも見たいでしょ(笑)。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、SCD CDロムの新規格発表につき、対応ソフトが「SCD」表記に。 ただし、名称未決定につきSUPER CD-ROM2ではなく、 「CDロム新システム」の省略表記……なのだが、 まだ報道規制があっただけで決まっていたのだろう。 次号では何の発表も無しに「みなさんご存じの」といわんばかりに「スーパーCD-ROM2システム」と普通に書かれていたりする。 |
【1991年08月号,第3巻 第08号 通巻32号】 |
![]() ![]() いつの間にか新システムの名称は「SUPER CD-ROM2システム」に正式に決まっていたらしい。 それにしてもこの名称、スーパーファミコンを意識し過ぎというか、 混同しそうというか、時期的に結構微妙な名前つけたなと感じる。 ハイパーとかでちょっとズラすとか、2Mにちなんだ名前にするとか何かあるだろうに。 スーパーファミコンにあやかろうみたいなのはプライドが無いのかと思ってしまう……が、 そもそも天外が「ドラクエみたいなゲーム作れ」っていうスタートなんだからそんなもんか。 6月6日から幕張メッセで開催された東京おもちゃショーのNEC-HEブースにおけるSUPER CD-ROM2システムの紹介コーナーで、 天外2のオープニングやデモの一部が公開。 6月9日からの一般公開日で初めてユーザーが見られる事となり、誌上でも初公開となった。 会場で見ていた人たちも興奮している様子である。 小4の男子が「ゼッタイ買う!!」と言っていたらしいが……金持ちだなぁ~。 ![]() 卍丸たちのオープニングデモは絵と音楽のみで、 文字や音声による説明がほぼ無い……まぁ「日本一の伊達男」くらいか? ちなみにこの部分はPCエンジンminiで「ジパング一の伊達男」に修正されているらしい。 とまぁ余談はさておいて、そういうわけなのでコンテに苦労するのも頷ける。 しかしその甲斐あって、当時店頭でこのデモを見た時は感動したものです。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 今、『天外II』は破壊的に忙しい。徹夜の連続で死にそうになっているのだ。 しかし、その価値はあるソフトだぞ。発売を楽しみに待っててねぇ。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、SCD |
【1991年09月号,第3巻 第09号 通巻33号】 |
![]() この「ユナ」のキャラクターデザインをしている明貴美加氏は、 天外2の最初からor続きから選択画面のデフォルメキャラをデザインしている。 エンディングにもちゃんと名前があります。 ![]() やはりというか当然というか、「天外余興IIテレホンカード」が作成され、 今号より採用者には色紙の代わりにテレカが送られる事になった。 採用者全員に直筆イラスト入り色紙は大変過ぎますわな。 ![]() ![]() 記事の形式が横18文字で収まるように書いてくれという指示だったらしく、 これが丁度天外2のメッセージウィンドウと同じ仕様だったもんだから、 天外2で表示されるのと同じ仕様で表現されていて面白い。 肝心の開発状況は、オープニングデモの制作中。 ノーアクセスの戦闘。術の調整が大変といったような話と、 CD音源は二桁を超えるというウリの話。 「規制範囲なんか知ったこっちゃねぇ」と言っているカブキでも、 まだ久石氏が作曲しているという話は出来なかったようである。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 現在、『天外II』スタッフは開発どまんなか。忙しくて家に帰るヒマもないのだ。 けれどそれだけのことはあるゲームなので、期待して待っててね。 <発売スケジュール> 発売日価格未定、SCD 期待を煽る岩崎氏。それが仕事ですからしゃーなしですね。 いつもこのお毒見チャートのコメントが子供に向けた優しい口調でたまらん。 インタビューでは割と言ってる事きつめなのに。 |
【1991年10月号,第3巻 第10号 通巻34号】 |
![]() 大まかには「Duoは既存のゲームが出来るから出せるならさっさと出そう」で9月21日に。 スーパーシステムカードは「対応ソフトと同時に出そう」でソフトの発売日である10月25日になったらしい。 SUPER CD-ROM2は一体型のDuoより設計が難しくてすぐ出せないというのが理由らしい。 また、Duoの値段は同時に発売される「Duoモニター」という4.3インチ液晶モニターと バッテリーパックなど、「Duoを持ち歩く」という事を想定した商品と合わせて サラリーマン等に買ってもらう事(新しいユーザー層の開拓)を目的とした値段になっているのだという。 その証拠にDuoは発売キャンペーンに「Duo専用オリジナルキャリングバッグ」という、 Duoを持ち運ぶためのバッグを賞品にしていたりする。 しかしこの「Duoモニター」はなんと79,800円。う~~~ん高い! このモニターの値段についてマル勝編集部が「高くね?」と聞いても、 「今市場に出回っている同程度の質のモニターと値段はそう変わらない」といって正当性を主張していた。 高価なクソデカゲームハードともっと高価なモニター、 さらにバッテリーとヘッドホンをひょいひょい持ち歩いて外出先でプレイしたい! と思うような新規層が一体どれほどいると当時のNECが算出したのか、 どこに勝機を見出したのかまったく謎である。 ただ、マル勝の店頭調査によると「Duoを買っていく人は大体モニターも一緒に買っている」 という調査結果だった。金持ちはとことん金持ちだった時代なんでしょうか。 ちなみにSUPER CD-ROM2は後に12/13発売、¥47,800となった。 ![]() ちなみに天外余興IIはもう1ページあるのだが、 すべて「銀河お嬢様伝説yuna」の情報で埋め尽くされているため割愛する。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 『天外II』の発売日が決まったのだ。次の号では写真なんかもドーンと出るので、 楽しみにしていてね。それにしても大きなゲームだ。ふう、疲れたよぉ。 <発売スケジュール> 年内予定価格未定、SCD 天外2は発売が延期されたことは有名だが、延期される前の元の発売日というのは発表されていない。 少なくともマル勝PCエンジンには無かった。どこかで発表されていたりしたのだろうか? この時決まったという発売日がいつだったのかちょっぴり気になる。 延期後の発売日の事なのだろうか? 岩崎氏がずっと「もうすぐ写真が出せる」と、 少なくとも4月号から言っていた事がようやく実現するのか? 雑誌の中で他の開発中のゲームも色々紹介されているわけだが、 こんなにもゲーム画面が出てこないゲームはかなり珍しい部類に思う。 新システムを売るという使命を持ったゲームの宿命なのか……。 |
【1991年11月号,第3巻 第11号 通巻35号】 |
![]() ![]() こちら、表紙裏から始まる見開きのドデカイ広告。 情報を出せると言っていた先月号からのこの情報量。 これは全出演声優さんたちのポラロイド写真+サインであるが、 このサイン入りポラ全てをたった1名に。 サイン無しポラを10名にプレゼントしてくれるというキャンペーンである。 滅多に顔出しをしない方、知っててもめちゃくちゃ若いなど貴重な写真である。 また「7月31日、録音終了!!」と、開発状況を広告に掲載するというのも珍しいと思う。 ![]() ![]() ![]() ![]() ド頭の広告からそうだが、怒涛の情報量である。 もうちょい小出しに出来なかったのかと思わざるを得ない。 しかし記事内の「ついに! 『天外II』年内発売確定!!」という文言に「あぁまだなのよ」と思ってしまう。 オープニングの宇宙のビジュアルシーンはここが初公開だと思う。 声優さんの紹介の中で岸田今日子氏について 「キミたちのお父さんお母さんたちなら、絶対知ってる大女優なんだぞ!!」 という紹介の仕方になんだか笑う。 ただ実際当時の私も「ふ~ん」という感じだったのでこの紹介の仕方は正しいと思う。 戦闘中の画面。卍丸、カブキ、極楽、絹が揃って3段で、 赤玉などと戦っているという製品版では有りえない状況。 体の数値が鬼の華6(20)、赤玉22(27)、化け根7(16)と製品版と違う(括弧内が製品版の体)。 また、これらの敵が同時に出現する所は無い。 当初は鬼の華や化け根は赤玉と出る序盤の雑魚だったのかもしれない。 巻物は大量に所持しているし、巻物選択時の色が青でなく赤だし、開発真っ最中の画面だなぁという感じである。 開発のお馴染み主要三人も当然の自信満々のコメントである。 そしてついに発表となった作曲の一人、久石譲氏。コメントは説明書の中にあるものと同じだった。 正直言ってこの久石氏の発表は天外余興II内などでドカーンと発表して良かったのではなかろうか。 そんなに書く事がない人じゃないと思うし。 なんでこんな付録の中でちんまりと初公表してしまったのか。イマイチそのバランス感覚に疑問である。 ![]() ![]() オープニングとデモシーンの紹介。 「ここまでやってくれた作品はなかったぜ!」と書いてある。 私は個人的にCD-ROM2のゲームは『天外魔境 ZIRIA』……しかもSUPER CD-ROM2版しかやったことがないのだが、 確かにここまで動いていなかった。 ぶっちゃけた話、本体(24,800円)とCD-ROM2(59,800円)にソフト代(7,200円)を合わせて91,800円を出して あの出来だったら、個人的には「うわぁ……失敗したなぁ……」と思っていたに違いない。 私の初CD-ROMゲームが天外2だったからそう思うのだろうか。 さらにゲーム開始後のオープニングとオープニングクレジットからのイベントシーンも紹介。 焔のうずまきに「天外魔境II」の文字がある、いわゆるタイトル画面ですが、 「(C)1991 HUDSON SOFT (C)1991RED」となっている(製品版は1992)一応まだこの時点では年内に出せると踏んでいたようである。 ![]() ![]() Lマップ(いわゆる通常フィールド)の紹介とされているが、 イヒカ村(製品版の嘆きの谷)はダンジョンスケールの場所のはずなので変更になったのか? また、嘆きの谷に普通に村人が二人もいる。 おそらくこの変更のせいで霊体バグ (嘆きの谷で霊体を使用して戻るとキャラクターがダンジョンスケールではなくなる)が発生しているものと思われる。 そして前ページに引き続き、メニュー内の選択が青ではなく赤い。 火の一族だということを考えて赤にしていたのだろうか? でもなんかRPGでメニュー内が赤いと瀕死系の緊急性を感じるので、青でよかったと思う。 卍丸たちのドット絵が体験版のもののようだ。 町&村の項目では「卍丸の家」という画像があるが、 どう見てもただのオバサンが座っている。 まだお春さんのグラフィックが無かったのだろうか。 しかし、遠い昔に発表されていた「秋の白川村」よりはほぼ製品版のグラフィックに変わっている。 「秋の」ではなくなった事については特に触れられていない。 犬山城とメカニカルな馬鹿野城と鋼鉄城、他にも両面窟、縁切洞、縄文洞、弁天塔の画像もある。 弁天塔以外の画像はフルパーティーなのだが、鋼鉄城と縁切洞だけ「卍丸、カブキ、絹、極楽」の順番に並んでいる。 この頃は隊列を変更出来たのだろうか。 バトルシーン。色々居る敵のHPが1か7ばっかり。化け根の下半分のグラフィックが無い。 双頭のグラフィックが違う。「絹どうするの?」というなんだか馴れ馴れしいメッセージ(製品版では「どうする 絹!!」)。 「HIT ANY KEY.絹ど」というよくわからないメッセージ。 「もんすた6骨ゼミでーす!」ちょっと能天気な敵出現メッセージ? 敵名のあとに敵の体も表示されている。 これまた見事なまでの開発画面である。 ![]() ![]() 50枚くらい出されたという画面写真によくわからないものがあるので広井氏に直接聞いてみようというページ。 ネタバレを避けつつ、言っていい所は素直に言っている。 もう設定も話もマップも完全に出来上がっている様子がわかる。 いやだからマジでなんでもっと小出しに……。 幻夢城でもカブキの後ろに絹がいる。 豊岡村の千年前の四人の火の勇者の墓石(?)の形が違う。 ![]() ![]() 広井氏と岩崎氏のトーク。テーマはCD-ROMの未来。 ミュージカルRPGをやりたいという岩崎氏に広井氏も同調する。 絶対面白いのにそういう注文がこないと嘆いているが、 その後「風雲カブキ伝」において自力で実現しちゃうんだから大したもんである。 SFCは音と映像がちょっと綺麗になっただけでFCの延長線上のものだが、 CD-ROMは全く別のモノで、今後分業が進むだろうと語る岩崎氏。 実際そうなってるし、そうしないと制作出来ない規模と作業内容の違い・広がりになってきてしまっている。 ただ、そういう超大規模なゲーム制作は制作費の高騰を招き、 制作費の高騰は失敗出来ない高リスク化を生み、 売上が見込める有名シリーズの続編か外伝、派生、リメイクばかりになってしまう状況を作ってしまった。 天外2だって有名シリーズの二作目だから出来た事なのだから、もうこの時点でそんな感じと言っていいだろう。 最近じゃあ映画以上の予算を費やしていたりもするようで、 業界内外から「このままだと破綻する」と言われているようだ。 TV番組や教育もCD-ROMで……という話もしているものの、そのあたりが実現する前にネットが普及して、 CD-ROMは飛び越えてしまった感じがある。 特に「ゲームだけじゃない!」という売り方をしたゲームハードはいくつかあったが、 そのどれも失敗し、「ゲーム機です!」という売り方をしたハードだけが生き残っている。 「教育にも使える」みたいな売り方って制作側の人たちはなんでそんなに好きなんだろう。 金を出してくれる大人を説得するのに使えるカードってことである程度必要な発言だったのだろうか。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 現在、『天外II』は地獄のデバッグまっさかり。 しかし、これを乗り越えれば完成だ! あとひと頑張りするぞ~! みなさんお楽しみに。 <発売スケジュール> 年内予定価格未定、SCD、開発状況80% コメント「今世紀史上最強最高! 超大作。他に敵なし。」 この発売スケジュールは付録にあるもの。開発状況とコメントがついていた。 |
【1991年12月号,第3巻 第12号 通巻36号】 |
![]() ![]() ![]() ![]() 当分先まで進まなければ手に入らない野分の巻物のことまで書いてあったり実に詳細だ。 ![]() 両面窟は大きくは変わらないが、檻のある辺りの作りはまったく違うし、2Fの宝箱も見当たらない。 ![]() ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 今(10月)は『天外II』がやっと完成する寸前。もうおしまいなのでほっとするのだ。 さ~て遊ぶぞ! 遊ぶぞ! うれしいよぉ。みんな買ってちょうだいね。 <発売スケジュール> 年内予定、¥7,800、SCD なんと巻末の発売スケジュール内でひっそりと天外2のソフト価格決定。 当時のCD-ROMタイトルの値段は大体6800円ほどだったので、ちょっと高めといった所。 この頃バリバリのライバル機だったSFCソフトは大体8800円。 天外2と直接のライバルともいえそうな「DRAGON QUEST V」は9600円だった事を考えれば安いと思う。 メディアがCD-ROMだから出来た強みだろう……まぁ本体がクソ高いのだが。 |
【1992年01月号,第4巻 第01号 通巻37号】 |
![]() ユーザーへのお詫びもかねて「SUPER CD-ROM2体験ソフト集」を超低価格で発売することを急遽発表した。 この体験ソフト集は個人的にやったことはなかったけど、CDのおかげでパッと出せちゃう感じは色んな可能性を感じたものだが、 その後この手のソフトが出た記憶はあまりない。雑誌の付録という形はあったようだが。 近頃のゲームは常時ネットワークに接続されているため、 アップデートという形で発売後に修正や追加が出来るが、 当時はそんなこと出来ないからこうなるわけですね。 しかしこれが正しい事だと思う。 将来的にオンラインサービスが終わったらアップデート出来ないため完成品をプレイすることが出来なくなってしまう。 ![]() この記事内でようやく「3人合わせて百々地三太夫を名のる」という話が出る。 設定が固まるのにずいぶんと時間がかかったものである。 イベントシーンのセリフ背景がウィンドウカラーなので、 記事内でプレイしているのは体験版以前のバージョンらしいことがわかる。 ![]() ![]() 開発スタッフへの緊急インタビュー「天外IIのココを見てくれっ!!」。 広井氏はいつもの勢いだらけの口調でスタッフへの感謝を述べれば、 桝田氏は具体的な数値でもってその凄さを語ってくれる。 グラフィックディレクターの天城秀行氏以外の名前が適当なあだ名なのは、 当時のゲーム業界の慣習かなんかだろうか(天城氏もペンネームだが)。 天外2のエンドクレジットにある役職と名前をわかる範囲で( )内に補完してみた。 まったく違う可能性もあるので注意。 ■システムプログラマー Hahi(プログラムユニット・システム 長谷川 浩) 細かいシステムは便利なほど、気づいてもらえないものなので、この場を借りて自慢させてください。 アイテムの交換、売買、モード設定!! すごく便利です!! ■グラフィックディレクター 天城 秀行(マップ/キャラクタユニット・監督) マップの演技です!! 『天外II』では、町ひとつ目の前で崩れるなんてのは朝飯前!! 山が! 海が!! 島が!!! 今までの常識は、発売までにゴミ箱へ!! ■アニメーションディレクター 松ちゃん(ビジュアルユニット・チーフ 松田 泰一) オープニングデモの絹を見てください。 光の玉の映りこみ等、凝りに凝りました。 他のハードで苦しんでいる開発者に言いたいです。「やれるモンならやってみろ!」 ■戦闘担当プログラマー ヤブ(プログラムユニット・バトル 藪 芳昭) バトルの醍醐味は、ボスキャラのアニメとしゃべりにつきます。 ボスキャラだけで49体!! 性格のひねくれた愛すべき連中ばかりですから、よろしくね!! ■根の城担当デザイナー 久保Q(マップ/キャラクタユニット・チーフ 久保 久) 根の一族の城は全部で11あるのですが、小さなキャラクターひとつとして、流用がありません。 はっきり言って死にました。壁のシミは、実は僕の血の跡なんです。 ■紀伊方面担当プログラマー タケちゃん(シナリオプログラム 武田 浩) 紀伊の見せ場は、何といっても、カブキと菊五郎の日本一(ジパングいち)の伊達男の座をかけた意地の張り合いですね! 主役が誰だったか忘れるぐらいに、ハデな勝負の連続です!! ■アニメーションコンテ うらう~ら(コンテ/作画進行 浦上 進) 今までできなかった表現が、天才岩崎さんとハードの性能アップのおかげで、ほぼ実現しました。 雑誌の写真じゃわかりませんから、ぜひプレイしてください。 ■山陰方面担当プログラマー がじろう 因幡国は砂の国です。国土の大半が砂で、あちこちに流砂が口を開けて待ってます。 それから、『天外I』でおなじみの〇〇〇〇クンが、また笑わせてくれます。 ■山陽方面担当プログラマー ヤス(シナリオプログラム 安部 利也) 最大の見せ場のひとつが、僕のエリアにあるのですが、さすがに言えません。 ただ、ゲーム史上最も強烈なシーンを、みなさんにお見せする約束をしておきます。 ■北陸方面担当プログラマー ヘノちゃん 佐渡ヶ島にお越しの際は、ぜひ私の作ったトロッコをお楽しみください!! 広い金山の坑道の中を隅から隅まで、ぜーんぶ、ご案内申し上げちゃいますよ! ■浪華方面担当プログラマー 手下 僕の担当しているエリアには、とにかく乗り物がやたら登場します。 敵味方入り乱れての乗り物の博覧会!! 海へ空へと大変でしょうが、頑張ってください。 ■火の一族関係デザイナー 大小林 火の一族の建築物のベースは「古代ローマ」です。 実質本位で過剰な装飾もありません。ですから、少しでも手を抜くと貧相になってしまうので苦労しました。 さすがに「手下」とかいわれるともう誰だかわからない。 インタビューに岩崎氏が居ないのは、 見どころを聞いても「ぜんぶ!!」としか答えてくれなかったためらしい。 広井、桝田、岩崎の三名のインタビューは多くあるが、 その他のスタッフのコメントは非常に珍しい。みなかなり興奮している様子がわかる。 <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 死んでいます。ホントに死んでいます。あまりの仕事量に死にそうです。 絶対に休みを取ると心に誓っています。休むぞ。休むんだ。絶対に。(涙) <別冊付録全ソフトカタログ'91での岩崎氏のコメント> 『天外II』に始まって『天外II』に終る年でした。 まったくあんなに馬鹿げたサイズのゲームとは。 もっと楽に作れると思っていたのになぁ。『イース』の10倍苦しいんでやんの。 <発売スケジュール> 近日予定、¥7,800、SCD 発売日、来年とは言わないんですね。「天外余興II第14回」は1ページありますが、 基本的におたより紹介しかないので割愛します。攻略記事で15ページも割かれているので、まぁそんなもんでしょう。 |
【1992年02月号,第4巻 第02号 通巻38号】 |
![]() ![]() というわけで件の「体験ソフト集」。見開きのドデカイ広告である。 発表が11月7日、発売が12月13日(SUPER CD-ROM2本体発売日)ということでなかなかのスピード感である。 赤文字で1,000円という値段を強調したつもりかもしれないが、背景の炎の赤に埋もれて見えにくくなっていませんか? ![]() ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> やっと『天外II』はほとんど終り。あとは発売を待つだけ!! 遅れてごめんよ。 けどそれだけのことはあると思うよ。自信を持っていおう。期待して待て。 <発売スケジュール> 近日予定、¥7,800、SCD |
【1992年03月号,第4巻 第03号 通巻39号】 |
![]() ![]() なんでこれ発売元がNECアベニュー株式会社なんでしょうね。 ![]() 三太夫登場シーンのセリフの背景色が黒くなって、 ついに編集部にもほぼ製品版のROMが入ってきたようである。 ただし突撃!角太郎の体表示部分がなぜかウィンドウカラーの画面写真がある。 くちなわ姫や黒の海老蔵、菊五郎は黒いので、角太郎だけ古いROMで撮影された写真なのか? ![]() ![]() ![]() SUPER CD-ROM2の未来を考えるオモテ+ウラ2大対談とあるが、 オモテは広井・岩崎・後藤の鼎談。ウラは仮面を被った各社の開発者たちのお食事しながらの座談会。 ウラはほとんど伏字で何を言っているのかさっぱりわからない。 ![]() トークテーマが「ゲームの未来」のため話題は多岐にわたるので天外2に関することだけ抜粋するが、 まず天外2延期を謝罪する広井氏。 ゲームのサイズが巨大で、天外1を作った経験はほぼ無意味。 最初の段階から「削って小さくするか、二枚組にするか」という二択で前者を選び、 せっかく録音した音声を泣く泣く切り詰める事に。 あとは映画とゲームとか、インタラクティブムービーがうんぬんなど、 話題がしっちゃかめっちゃか……まぁ天外2とも無関係ではないものの、 何を抜粋したらいいかよくわからないので割愛する。 ![]() 卍丸がキバ王に残火の巻物を使用している……おかしいな? <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 天外II、ついに完成! あとは遊んでくれるだけ。いや~1年以上かかってしまった。大きなゲームだなぁと思いました。 <発売スケジュール> 3月26日(木)、¥7,800、SCD 発売スケジュールは以後変更がないので記載しません。 |
【1992年04月号,第4巻 第04号 通巻40号】 |
![]() ![]() ついに発売日も決まってドドンと広告が出た。いや~カッコイイ堂々としたものである。 発売記念大プレゼントとしてカラクリ兵ガレージキットなるものがもらえるキャンペーンがあるが、 カラクリ兵が出てくるのは天外1である。なぜこいつが選定されたのかは謎だ。 ![]() ![]() 1位:カブキ団十郎(天外魔境II) 2位:ガイル少佐(SFII) 3位:らんま(らんま1/2) まだ発売もしていないゲームのサブキャラが1位になる。よく訓練された読者たちである。 ていうか「らんま」って主役なのでは……? 女の時はひらがなの「らんま」という呼び分けもあるようだが、 どちらにしろ同一人物だし。 ![]() ![]() ついに発売。「天外魔境II」がお毒見される立場に。ただし、評論家の一人でもある岩崎氏は制作者なのもあって評価は無し。 メインディッシュ(今月のオススメ的なやつ)に選定することもなかった。 各評論家と天外2への評論、メインディッシュのコメントが以下だ。 ■岩崎啓真(全ゲーム制覇超人) 作るのに恐ろしいぐらい苦労しましたが、それだけの内容はある作品だと思います。 今度のにはかなり自信があります。ちゃんとしたAV環境でプレイしてね。 ????? ????? <メインディッシュは割愛> ■ウォルフ中村(対COM無敵人間) 細かい部分まで配慮されているので、心おきなくゲームの世界にハマれます。 システム、ゲームバランス、ビジュアルシーン、音楽、演出……すべてが◎だ! ●●●●● ●●●●● 今月はなんといっても『天外魔境II』だね。時間がたつのも忘れてハマっちゃいました。 そこかしこに見られる演出が自然で、あとから「あ、こんなことをやってたんだ」なんて思うこともしばしば。 もっとも、クリアどころかまだ半分と終わらせられなかったんだけどね…。 時々、目的地がわからなくなることもあったけど(「XXの南東の方角に…」なんていわれても、 どこのことかわからなかったりしてね)、全体マップがあるのでそう戸惑わずにすんだし。 その他では『ぎゅわん自己』、『パチ夫くん』といったところがおススメです。 ■東 千里(お気楽専門校生) スケールの大きな物語、演出のすごさやかっこいいビジュアルなど、 作品の完成度の高さに思わず感動しちゃったよ。PCファンは必見のソフトだわね。 ●●●●● ●●●●〇 最近のゲームはどれもビジュアルの演出が凝っていて、素敵なものが多くなったわ。 物語も奇想天外だしね。今回のゲームはそういう点でみるとかなり上デキ作品が多いわ。 私の場合RPGは途中でイヤになることが多いけど、『天外II』の完成度の高さは抜群よ。 最後までたっぷり楽しめるおススメのゲームね。はっきりいってハマりますよ。 コミカルだけど、じっくり手ごたえのあるプレイが楽しめるのは、『川のぬし釣り』『シュビビンマン3』だわ。 派手な魔法が使える『ヴァリス』も注目してほしいゲームね。 ■びいず羽岡(爆裂ウラワザ野郎) スーパーロムロム持ってたら迷わず買いなさい。素人目に斬新なところはないんだけど。 CDロムであと1年は、これ以上のシナリオ重視RPGは出ないな。 ●●●●● ●●●●● 今回はとにかく『天外II』でしょう。CDロムのRPGはこうなるとみんなが期待していたものをそのまま形にしてるもんなぁ。 あまりにもスゴすぎて今後の基準にならないもん。他のゲームを比べちゃかわいそうっていう。 見かけはよくあるタイプのRPGなんだけど、プレイすればスゴイことをやってるのにすぐ気づくんじゃないかな? 今後はこのテのゲームを作っている人のいい目標になるでしょう。 早く『天外II』がCDロムRPGの基準だといえる日が来てほしいと心底思います。 まっ、各自買って楽しんでね。 というわけで、評価は上々……というか、ここまで高得点のゲームはなかなか見ない。 他のゲームの評価を見てもらえればそれがわかると思う。 逆に評価が甘めの女性ライターで満点が取れなかったのが惜しい所だが、 全員満点ってのもそれはそれで身内感出てキツイのか。 ![]() ![]() 目新しい内容としては……「卍丸以外の極楽太郎、カブキ、団十郎、菊五郎、あと聖剣関係の紅丸、 女彦(おそらく義経あたりも?)などは全て主人公の名前候補だった」とか、 「絹は当初、清姫という名前だった」というあたりか。 この会食は1月末ごろとのこと。発売まで結構かかるもんですな。 ![]() ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> とうとう長い長い『天外II』の開発がやっと終って、今はボーッとしている毎日です。 次になにをするのかは全然決めていません。なにしましょ? |
【1992年05月号,第4巻 第05号 通巻41号】 |
![]() 1位:カブキ団十郎(天外魔境II) 2位:ダルシム(SFII) 番外:スライム(ドラゴンクエスト) 番外にスライムがランクイン……? なにやらよくわからない結果である。 ちなみにここでいう「PC」というのは「PCエンジン」のことであって、 「パソコン」の事ではない(でも「PCエンジン」の「PC」はパソコンの事だったりする……)。 雑誌内ではよくPCエンジンに移植されたソフトのことを「PC版」と表記するのだが、 なんだか紛らわしいなと思う。「PCE版」と表記した方がいいと思うのだが、 そのくらいPC(パソコン)が一般的ではなかったということなのだろう。 ![]() ![]() ちなみにサントラの広告も鎖の輪の中が真っ白だった。 これは絹の両手を繋いでいる鎖なんですよという事がNECの広告担当に伝わっていなかったのかなぁ。 ![]() ![]() ![]() 「運命の逆転」というタイトルで天外2の制作がドラマ化されるという。 TBS系春のドラマスペシャル4月10日午後9時02分からの放映。 中井貴一、工藤夕貴、多岐川裕美などが出演。 絵師の辻野氏も絵を描く手のみの出演があるという。 ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> あーヒマ、ヒマ、ヒマ。『天外II』が終わっちゃったら、今度はヒマの嵐。 適当に忙しいのがベストなんだけどなぁ。なんか手ごろな仕事はないかしら? 岩崎氏はこのあとしばらくヒマに苦しんだ後、やる気が起きずに燃え尽きたような感じになってしまう。 桝田氏の誘いで「LINDA3」の開発が始まるまで……。 |
【1992年06月号,第4巻 第06号 通巻42号】 |
![]() ![]() 1.低段クリア 2.戦災孤児 3.技減らし天狗 4.謎のアイテムを探せ 5.すべてのメッセージを聞けるか 6.全編オートバトルチャレンジ この4番目「謎のアイテムを探せ」に気になる文言が。 「どうも開発中のデバッグのために「確実にザコを呼ぶ」アイテムや 「確実に戦闘から抜けられる」アイテムなんてものが作られていたらしいのだ。 そのうちのいくつかをスタッフの某氏がある場所に置いたとか置かなかったとか」 前者は「地獄のタマ」のことだと思うが、後者の「確実に戦闘から抜けられるアイテム」とは? 逃水の杖以外の何かがLマップのどこかにあるのか? 実はこの2か月後に裏技のコーナーで地獄のタマのリークはあるのだが、 「確実に戦闘から抜けられるアイテム」の情報は無いのだ。 噂っぽくするために付け足したブラフなのだろうか。 5番目「すべてのメッセージを聞けるか」は、 私以外にもやっている人が誰かいらっしゃるんでしょうか? まぁ居るは居るよね。それをメモったりはしないだけで。 ![]() キャラクター人気投票の中間発表、1位カブキ、2位卍丸、3位絹、4位三太夫、5位極楽&はまぐり姫とのこと。 最終結果は次回発表。 ![]() ……しかし、私は初版を持ってるんですが、奥付には「1992年5月20日初版発行」と書いてあるんですよねぇ。 一体どっちが正しいのか。出版社なんてのもなんだかいい加減なものである。 ![]() フォントの中に「卍」の文字が無いらしく、卍丸の「卍」だけ違和感がある。 卍という文字を使った理由などは感心するところが多いが、 こういう部分や海外展開する時などに結構問題になるのが残念ですね。 付録「天外魔境II どでかマップポスター」というものがついていた。 ゲーム内の地図ではなく、原寸大のLマップの写真を切り貼りしてつなげ合わせた全国のマップをさらにつなぎ合わせて、 大和地方を表現したものに(つまりこれのアナログ版)、各国の地名リスト付き。 モニターをカメラで撮影して、現像してつなぎ合わせて……いやぁなかなかの労力です。 |
【1992年07月号,第4巻 第07号 通巻43号】 |
![]() ページ下「らん外余興」でチャゲ&飛鳥のチャゲがラジオで「『天外II』のことならなんでも聞いてくれ!」と言っていたという情報が。 あんまりタレントが天外2について話している様子は聞いたことが無いので知らなかったなぁ。 また、極楽太郎の声を担当した赤星氏も天外2をプレイ中、コーフンのあまりREDに電話し「6本目の暗黒ランを斬りました!」と広井氏に報告したという。 なんだか嬉しいものである。 同じく「らん外余興」「某広〇王〇氏は某〇ド〇ンから「〇〇III」の企画を作れ! と札幌にカンヅメになりそうになるところをすばやく脱出。 ところが某小〇館につかまり「少年〇ン〇ー」「ス〇リ〇ール」の原作書きにホテルに連れ込まれた。トホホ……。」 とのこと。ハ〇ソ〇も随分気が早いなぁという気もするが、 それだけ天外2が売れたということなのでしょう。 天外2で開発に2年くらいかかってることを考えれば気が早いということも無いのかもしれない。 ![]() 1位:戦国卍丸 492票 2位:カブキ団十郎 381票 3位:絹 357票 4位:極楽太郎 231票 5位:菊五郎 117票 6位:はまぐり姫 102票 7位:マントー2 93票 8位:百々地三太夫 84票 9位:シロ 48票 次点:ヨミ、生子法師、ホテイ丸ほか 締め切り間際に卍丸が一気に票を伸ばしたとのこと。 同時募集していた「嫌いなキャラ」は票が少なく、肉助と足下兄弟が十数票を競り合うという結果に終わったという。 ![]() ![]() 1位:オストラコン(エメラルドドラゴン) 2位:ベガ(SFII) 3位:菊五郎(天外魔境II) 当時絶大な人気だった謎のゲーム「エメラルドドラゴン」のキャラクターが1位。 後にめでたく移植されることになるが、まだ移植前なのにPCエンジンの雑誌で1位になるという謎な状況。 当時移植希望していた方々はどこでこのゲームを知り、移植を希望していたのだろう。 アーケードゲームならゲーセンで見かけるとか、50~100円で1回プレイするということが出来るのでまぁわかるのだが。 当時クソ高価なパソコンのゲームですよ……謎だ。 ![]() <お毒見チャートでの岩崎氏のコメント> 仕事を始めたのはいいのだが、イマイチのらないのだ。『天外II』の疲れが出ているのかなぁ。 それとも、単にナマケモノになっただけかな? |
【1992年08月号,第4巻 第08号 通巻44号】 |
![]() ![]() 裏技紹介コーナーにて天外2のモノがいくつか紹介されていた。 基本的に読者投稿による裏技を紹介しているコーナーだが、 天外2の裏技は投稿者名にあたる部分は「本誌裏技特捜班」と書かれている。 おそらくハドソンからのリークなのだろう。 だがしかし技減らし天狗なんて裏技でもなんでもないただの攻略情報のようなものなので、 これをこのコーナーに投稿しようと思う人はいないだろう。 しかもどういうつもりか、「詳しい場所はキミの手で!!」と読者にブン投げである。 そこは詳細に紹介してこそなのではないのか? しかも裏技評価「特上」て……。 私に言わせれば「梅」もいいとこである。 もう一つは「おミルさんの秘密&隠しアイテム」で、 前者についてはヒントのみで具体的なアイテム名を伏せている。 後者の地獄のタマは非常に珍しいLマップに配置されたアイテムなのに、 おミルさんのあいまいな情報と合わせて「松」評価なのは納得できない。 最後が「こんなにあった特殊効果のあるアイテムリスト」なのだが、 「天外魔境II卍MARU 公式ガイドブック」と同様の間違いが……おそらくほぼコピペなのだろう。 ・竜人の鉾 → 竜神の鉾 ・命の小柄に「戦闘中に使うと全体の体を30~40回復」という効果は無い ・はりせんの効果範囲は敵全体ではなく敵一団 ・影の衣 ではなく 影の鎧 ・骨の骨壺、白の骨壷に戦闘中の使用効果は無い ひとつだけ、紫龍甲を紫竜甲と間違えていたのだけ間違えていない。 つまり公式ガイドブックに転載する時に間違えたものと思われる。 で、「あと2つ強力な武器が!! 探し出してみよう!!」と言っているのだが、 どうやら「四水の鏡」と「密教ヘルム」っぽい。隠すほど強力だろうか……? ![]() ■広井王子 え、『天外III』? い、いったいなんのことだ?? 知らん、私は何も知らんぞ!! ■桝田省治 『天外』に関する情報はすべて私がチェックしております。その私が知らないのですから…。ねェ。 ■岩崎啓真 『天外III』ねぇ…。今度はどんなゲームになるんでしょうねえ? 誰が作るんでしょうね? 楽しみだなぁ、まったく。 ■山崎彰叙(ハドソン広報担当) 『天外II』のユーザーからの反響が、あまりに大きかったため、 ハドソンでは次の『天外魔境III』に対して前向きに検討し始めた、というのが今回の発表の事実です。 というわけで。桝田・岩崎両氏は本当にまだ何も知らなさそう。 しかし、新ハード発表の場で言及する辺り、当初天外3がアーケードカード専用タイトルと言っていたのは、 アーケードカードを売るためのブラフだった……というのは考えすぎか。 |
【1992年09月号,第4巻 第09号 通巻45号】 |
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【1992年10月号,第4巻 第10号 通巻46号】 |
![]() ■否1:三太夫の死が理不尽では? →(桝)失敗でした。アイデアが出ませんでした。次はもっと納得いく死に様を考えます。 ■否2:他の3人に比べて主人公の卍丸が目立っていない →(桝)プレイヤーの数だけ卍丸がいる。まったく没個性ではない! (岩)「我が道に敵なし!」は失敗だった。暗黒ランを斬るたびに聞きたかったと言われた。 ■否3:井上あずみの起用は失敗ではなかったか? →(広)賭けだったが結果的には成功、うまくはないが良いひっかかりがあった。 (桝)良くも悪くも反響が大きかった。 ■否4:シナリオに中だるみがあった(因幡以降、鋼鉄城以降) →(岩)鋼鉄城で残り三国に行けると教えてあげるべきだった。 (岩)因幡以降は情報が複雑。ヒントを与える者をもっと配置するべきだった。 (桝)因幡のボスが初対面で戦って終わりで印象が弱かったかな。 ■否5:エンカウント率が高すぎる →(岩)移動速度が速いからそう感じるだけ。 突破を使う人はさらにそう感じただろう(突破が成功してもエンカウントしたことにならないのでまたすぐ敵が出る)。 エンカウント率を半分にしたらプレイ時間が200時間になる(しかも大半がレベル上げのブラブラ)。 ■否6:戦闘に目新しいところがない →(桝)斬新で慣れるのに時間がかかる戦闘にしていたらやる気を無くすユーザーが出ると判断した結果。 ■否7:使えない術、奥義が多すぎる →(桝)使いこなせる人にとっては斬新な戦闘システムだったはず。 術や奥義の使い方を丁寧に教えてあげるべきだった。 (岩)マニアックすぎた。 ■疑:ゲーム自体のサイズはどうなん? →(岩)大きすぎる。2度と作りたくない。 地獄城への道のりが問題。1日にゲームが出来る時間を考えたらクリアするのに2時間以上かかるダンジョンはまずい。 (桝)そういうのは『FF』の最後のダンジョンに任せとこう。 要約するとこんな具合。割と真面目にちゃんと反論したりなぜそうしたかを説明したり、 次はもっとどうにかしなきゃと反省している。 で、実の所は次の新作(LINDA3)の宣伝予告みたいなものだったりするのだが、 それはそれとして色々な話が聞けて良かった。 ただ、否3の意見を紙面に載せちゃうのはなんだか可哀想ではないかと思ってしまう。 ビッグ3が結果的には成功で良かったと言っているのが救いではあるが。 ![]() イラストチャンピオン大会の優勝がついに決定。 わりとふざけたイラストの多いこのコーナーにおいて、 しっかり真面目な絵が選ばれていた。 |
【1992年11月号,第4巻 第10号 通巻47号】 |
![]() ここで寅のイラスト魔境の感想でも少し。 基本的に辻野氏がイラストにコメントを寄せているわけだが、 「下手」という身もふたもない事から、「ありがちな構図」「どこかで見た絵」と、 天外2のイラストを募集しているのにオリジナリティを要求したり、 かと思えば「卍丸のピアスは片耳だけだよ」と細かい設定を注意したり結構厳しい。 一応「真面目に描いているそれなりの年の人」には厳しめのアドバイスをしているのかなぁという感じはある。 明らかに小さなお子様が描いたであろう絵はよく褒めている。 |
【1992年12月号,第4巻 第12号 通巻48号】 |
![]() 「カブキ伝」はVジャンプ主導で立ち上がった企画だった(私は当時Vジャンプを購読していた)。 Vジャンプは「メディアミックス作品を作り出すぞ!」という意気込みで創刊された雑誌で、 後に出る「空想科学世界ガリバーボーイ」もVジャンプ発の企画だ。 だからVジャンプ読者はこの発表前から「カブキ伝」については知っていたはず。 ただ、この企画はハドソンが全く関わっていなかったそうで、 「何勝手に企画してんのよ」とちょっと怒られたみたいな話をどこかで見たような気がする。 当時は天外2→カブキ伝まで結構長い期間があったような気がしましたが、 カブキ伝の発売日は1993年7月10日なので、大体1年3か月ほどしかかかってない。 子供の頃は時間の経過が遅く感じていたんだなと思う。 |
【1993年01月号,第5巻 第01号 通巻49号】 |
![]() ・ロゴが違う ・第何回表記が無い ・辻野氏のイラストが無い ・広井王子総帥のおコトバが無い ・「寅の」イラスト魔境じゃない とにかく無い無い尽くしの異様な雰囲気が伝わるだろうか。 イラストへのコメントも、今までは広井氏、辻野氏のコメントだったはずだが、 今回は編集部からのコメントの様子。 これはいわゆる「角川お家騒動」によるものである。 なんやかんやの事情から、角川歴彦氏が設立した株式会社メディアワークスに、 マル勝PCエンジン編集部(というかアニメやゲーム関連の編集スタッフ)の人員がほぼ移動。 この当時マル勝PCエンジン編集部にはスタッフがほぼいなかったのである。 デカイ文字で埋められた誌面。見開きをクソデカゲームタイトルだけで半分埋めた記事。 何の告知もなく突然終わっている連載コーナー、連載漫画。 そして突然始まる無軌道な穴埋め漫画。 もうとにかくめちゃくちゃで、次号の1993年2月号では読者からのお怒りの投稿が寄せられる始末。 それを紙面に掲載するのもすごいなと思ったが、どういう意図だったのだろうか。 元・マル勝PCエンジンスタッフはメディアワークスから創刊された「電撃PCエンジン」を編纂。 長らく表紙を担当していた佐々木晃氏(東京省)もそちらへ移動。 次回からマル勝PCエンジンは表紙の絵も変わり、完全に別の雑誌となってしまう。 「みんなの投稿次第でページがふえるかもしれないぞ!」と言っているが、 投稿の宛先が無い。まったく杜撰なものである。 というわけで、もちろん天外余興IIもこれにて終了。お疲れ様でした。 |
【月刊マル勝PCエンジンを読んで】 |
■ゲーム好きそう 編集部が「とにかくゲームが好きなんだな」というのがわかった。 読者参加型の連載ゲームなんて個人的にあまり見た記憶が無い。 おそらく昔はよくあって、コンピューターゲームの普及で廃れた文化なんじゃないかと思うのだが、 世界設定、情勢設定、国の設定、地形設定、部隊設定、ユニット設定、各数値の設定、行動設定考えて、 読者が応募してきたキャラクターの設定と行動を加味してシナリオが進行し、 それに合わせて漫画化し、その結果を受けて次のゲームへ……どう考えてもクソ面倒なことをよくやっていたもんである。 読者たちの戦績が一覧表で発表されるのだが、最後の方では虫メガネでもないと見えない極小極細文字で、 新聞の株価より細かい。果たして自分の結果を探せるのか? ■ハード価格や業界への思い 新しいハードの価格が高いとNECに怒ったり、 いわゆる美少女ゲームのようなものがどんどん増加していることを危惧していたりしている。 しかし、硬派なファンタジーやSF設定の多かった読者参加企画が、 カワイイ女の子だらけの企画が続いたり、 美少女ゲームを扇動するような動きもしているあたりよくわからんもんである。 営利企業として時流には逆らえないという事なのか。 ■表紙がイイ 当初は誌面の挿絵(ゲームタイトルをイメージした絵、裏技コーナー)を担当していた佐々木晃氏(東京省)が、 1990年8月号から表紙を担当することになるわけだが、これがとても良い。 非常に細かい装飾や衣装、小物の書き込み。メインもモブも生き生きとした描写。 明らかに雑誌の価値を高めている。 兎耳の女の子は「ラビィ」、犬は「ドルピー」という名前に読者公募で命名されている。 ほぼレギュラーのようによく居る牛とゴリラや馬には名前が無い……と思う。 表紙の画像はもうウン十年も前の古本雑誌なので、それなりに痛んでいるものも多かったわけですが、 頑張って修正しました。 ■誌上攻略は暗闇城まで 雑誌上の攻略記事は暗闇城までで終わっている。 記事内でも「もうみんなクリアしてるのに今更、骨の剣攻撃力+100、とか書いてもつまんないでしょ」と書いていたりするので、 攻略記事をやめたのと、公式ガイドブックが出版されたのであとはそっちを見てくれというタイミングだったのだろう。 天外2はコンセプトからして誰でもクリア出来るオーソドックスなRPGだから、 難解な謎解きや理不尽な仕様も特に無い。 歩けば瀕死すら回復、敗走してもお金は減らないなど当時としてはかなりのヌルゲーだった。 発売の翌月にはみんなクリアしてしまっているわけで、まぁしゃーなしである。 ■意外と情報が出てこない 個人的にはもっとキャラクターの設定画などが公開されているものかと思っていたのに、 そういうのは連載コーナーの天外余興IIが始まるとなぜか無くなってしまった。 それからしらばく大した情報もないまま突然大量のゲーム画像が公開されるという形だったことに驚いた。 設定画などを目当てに始めたので非常にガッカリした。 ■うやむやに終了 天外余興IIが角川お家騒動に巻き込まれてなんとなく突然終了してしまう。 なんとも悲しい結末である。 とはいえ、最後の方ではもう「カブキ伝」の発表もされた頃。 そのまま天外余興IIが続いていてもカブキ伝の事くらいしか伝えられる事も無いだろうし、 それはもう天外余興IIではなくカブキ伝余興……? 実際には丁度良い引き際だったのかもしれない。 ただ、読者参加企画の結構唐突な終わり方から見るに、 知ってる人は知ってたんだろうなぁという雰囲気は感じるので、 読者置き去りの別会社で別雑誌創刊っていう感じは不誠実というかなんというか残念なものですね。 今全体を通して見れば公募した内容が後から変わったり、 公募したまま結果発表無しとか結構無責任なところがあるので「まぁしょうがないなマル勝編集部だし……」 と思えるかもしれないが、当時の読者はどう思ったんでしょう。 電撃PCエンジンの表紙絵が佐々木晃氏だったので、書店で混乱したり、間違えて購入した人もいたのではなかろうか。 ■すんごい内輪ネタ 当時そこまで雑誌を読んでいなかったため、 「人魚の女王ヤダキは広井さんの秘書の山田真木の名前をもじったもの」と聞いても、 「へぇ~……そういう人がいるんですか」という感じだった山田真木氏が こんなにも擦られていた内輪ネタだったことに驚いた。 制作において「一般ユーザー代表」としてバランス取りの大事な部分を担っていたり、 傘岩仙人の絵を担当したり、ただの秘書とは思えない働きぶりなので、 そのような扱いもまぁ納得は出来た。 というわけで、まぁ長々とこんな所まで読んでいただき、ありがとうございます&おつかれさまでした。 発表から開発中、発売後の雰囲気や開発の変遷が伝わったでしょうか。 当初の目的は「カインの設定画って無いのかなぁ」という思い付きで始めた企画でしたが、 そーいうのはさっぱりでしたね。 |
▲ ※このページ内で「岩崎啓眞」氏を「岩崎啓真」と書いている事がありますが、 これは雑誌記事内の表記に沿ったものです。 ※「天外II」と「天外2」が混在し表記揺れのように見えますが、 雑誌記事内の表記に沿った「天外II」と、 私が個人的に「ローマ数字だと1と2を瞬時に判断しにくい」という思いから「天外2」と表記しているものが混ざった結果です。 雑誌記事の引用時は「天外II」で、私が個人的に天外2に言及している時は「天外2」表記になっています。 |